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認知行動療法におけるストレス対処~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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ストレスはなくせない。だから上手な対処を増やす~認知行動療法のストレスコーピングについて~

ストレスはなくせない。だから上手な対処を増やす~認知行動療法のストレスコーピングについて~

2026/05/05

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

心理臨床を行う中でストレスに直面し、しんどさを抱えている方と多く接します。

 

確かに、ストレスは心のしんどさを生み出す原因となります。

 

しかしが現実には、ストレスをゼロにするのはほぼ不可能です。

 

そのため、ストレスがかかったときに「どう対処するか」が、メンタルの安定を左右します。

 

では、どのように対処すればよいのでしょうか?

 

具体的にストレス対処は、①ストレス状況そのものを変える(解決/回避)→②ストレス反応を和らげる(対処)→③自分に合う対処をリスト化して使い分ける、の順に組み立てると実践しやすくなります。

 

そこでこのブログでは、認知行動療法におけるストレス対処、つまりストレスコーピング(ストレス対処)についてシェアしたいと思います。

 

1.ストレスコーピングの全体像:ストレスを「悪者扱い」せず、対処法を増やす

 


ストレスはなくすものではなく、上手に扱うものです。

 

重要なのは「我慢して耐える」ことではなく、状況を動かせるなら動かし、動かせないなら反応を整え、さらに自分に合う対処を「再現可能な形」で持っておくことです。

 

そこでここでは、認知行動療法(CBT)の視点も踏まえながら、ストレスコーピングの全体像をお伝えしたいと思います。

 

1-1.この記事で扱う順番


ここからは、ストレスを「悪者扱い」しない前提で、①ストレスのメリット/デメリット、②優先順位(解決・回避→反応調整)、③コーピングの5分類、④コーピングリストの作り方、⑤気分別の最適化、⑥避けたい対処の条件、の順でお伝えしたいと思います。


読み終えたときに「自分は何をすればいいか」が残るよう、できるだけ手順化していきたいと思います。

 

1-2. ストレスは「ゼロが正解」ではない:良い面と悪い面を分ける


ストレスという言葉には悪い印象がありますが、ストレス反応そのものは「心身を動かすスイッチ」です。

 

適度なストレスは、集中や意欲を高め、目標達成に役立ちます。

 

たとえば「ワクワク」も広い意味ではストレス反応の一部で、少し心拍が上がったり、注意が研ぎ澄まされたりします。


問題になるのは、ストレスが強すぎたり長すぎたりして、回復が追いつかなくなることです。

 

例えばストレスによる緊張が続くと睡眠の質が落ち、疲労が取れにくくなり、注意力・気分・対人関係にも波及します。


一方で、ストレスが長期化すると抑うつ気分や身体不調につながりやすく、さらに不適切な対処(飲酒過多、暴食、衝動買い、過剰な回避など)を重ねると状況が悪化してメンタルヘルスが損なわれることがあります。


そのため、ストレス対処の要点は以下の2つになります。


長引かせない(回復の時間を確保する)


不適切な対処で増やさない(短期の楽さが長期の苦しさにならないようにする)

 

1-3.まずは「状況」から手を入れる:解決できるか/回避できるか


ストレスを感じたら最初に考えるのは、「原因となるストレス状況を変えられるか」です。

 

認知行動療法の基本は、変えられるものから先に動かすことにあります。

 

というのは、心の中だけで頑張るより、現実の条件を変えた方が早いケースが多いからです。

 

その流れは以下の通りです。


ステップ①:解決(問題解決)か、回避(問題回避)か


● 解決

→寒いなら上着を着る/失敗が多いなら不足スキルを学ぶ/締切がきついなら分割して早めに着手する、など「状況を改善する」方向


● 回避

→相性の悪い人と距離を取る/負担の大きい予定を調整する/刺激が強い環境を避ける、など「刺激を減らす」方向


順番としては、まず解決を検討し、難しければ回避を探す、が実用的です。

 

解決は自己効力感を上げますが、回避も「消耗を止める」という意味で重要な戦略です。


しかし現実には、上司・家族・役割など、すぐに変えられないストレス源もあります。

 

この場合は「我慢」一択になりがちですが、そこで次のステップに移ります。

 

状況を動かせないなら、反応を整えて消耗を止めます。

 

これが次善策ではなく、むしろ長期戦では必須の技術です。

 

1-4.状況が変えられないときは「反応」を整える:コーピング5分類


ストレス対処法(コーピング)は、行動や考えを変えることで心身の反応(ストレス反応)を軽くする方法です。

 

そして、コーピングは以下の5分類で整理しておくと、「いま何をするか」が選びやすくなります。


①体を動かす(運動)
→散歩、軽いジョギング、ストレッチ、発散系の活動などが代表例です。

 

身体を動かすと緊張が抜けやすく、頭の中の反芻が弱まりやすくなります。


②リラクゼーション
→音楽、香り、お茶、入浴、深呼吸などが該当します。

 

ポイントは「気分を良くする」より、まず「警戒を下げる」ことです。

 

落ち着く土台ができると、次の判断がしやすくなります。


③視野を広げる(認知の調整)

→別視点を取る、立場を入れ替えてみる、極端な結論をいったん保留する、励ましの言葉を読む等の認知(考え)に着目します。

 

ストレスがあると、どうしても考えがネガティブな方向で固定化されがちです。

 

そのため、認知(考え)を柔軟にすることによって、ストレスを軽減する効果が見込めます。


④気分転換(行動活性化)
→映画、趣味、友人と話す、美味しいもの、片付けなどがイメージしやすと思います。

 

ストレスを感じているとき、多くの方は活動量が低下しがちです。

 

しかし、活動量がある程度あることは、ストレス対処には非常に有効です。

 

このように「動く」ことでストレスを緩和あるいは軽減する可能性が高くなります。


⑤今ここに戻す(マインドフルネス)
→周囲の音や景色に注意を向ける、呼吸に意識を置く、短い瞑想などの方法です。

 

これは不安や反芻(ぐるぐる思考)で注意が奪われたときに「注意のハンドル」をストレスから自分自身へ取り戻す技術です。

 

そのため普段から短い時間でもよいのでマインドフルネス瞑想を行うことがおススメです。


ここで大事なのは、「全部やる」ではなく、今の自分に効きやすいものから優先して試すことです。状況と体調で、効く手札は変わります。

 

1-5.自分だけのストレスコーピングリストを作る:再現性を上げる工夫


対処法は「知っている」「覚えている」だけでは役に立ちにくいのが実情です。

 

というのは、ストレスが高いときは、ストレスコーピングの選択肢が思い出せないからです。

 

そこで、実際にやってみて効いたものをリスト化しておきます。

 

これが「ストレスコーピングリスト」です。


作り方はシンプルです。


(1)「効いた」「少しマシになった」対処を1行で記録


(2)気分別(不安/怒り/落ち込み)に印をつける


(3)5分でできる小さい対処を多めに入れる


ポイントは「量」より「使えること」ですが、候補が増えるほど選択肢が増えます。

 

ストレス状況に遭遇するたびに知識と経験を蓄積し、リストを充実させていく発想は私たちを不快なストレスから抜け出しやすくしてくれます。

 

1-6.気分で最適化する:落ち込み・イライラ・不安で「効く対処」は変わる


同じ対処でも、気分によって効きやすさが変わります。

 

例えば、落ち込みが強いときは散歩のような軽い運動が合う場合があり、イライラが強いときは筋トレなど強度の高い運動が合う場合もあります。

 

趣味に没頭する方が良いときもあれば、リラクゼーションで鎮めた方が良いときもあります。

 

このように、ストレスの種類によって対処を分けるとさらに効果的です。


コツは以下のように「状態別の手札」を用意しておくことです。


● 不安

→呼吸・マインドフルネス・情報遮断+小さな行動


● 怒り

→身体を動かす・タイムアウト・言語化


● 落ち込み

→行動活性化・人との接続・睡眠と食事の立て直し


このように、同じ「コーピング」でも狙いを変えると扱いやすくなります。

 

1-7.上手なストレス対処の条件:効いても「後で苦しくなる」対処は避ける


ストレス対処は、短期的に楽になっても長期的に自分を苦しめる形だと逆効果です。

 

そのため、良い対処法の条件は次の3点で検討できます。


● 自分や他人を傷つけない
一時的にスッキリしても、関係悪化や自己嫌悪が増えるとストレスが増幅します。


● お金がかからない(かけすぎない)
→家計を圧迫すると新たなストレス源になります。


● 問題解決の妨げにならない
→健康を改善したいのに暴食する、睡眠を整えたいのに夜更かしするなど、「目標に逆走する対処」は長期的に苦しくなります。


このように「いま楽になったか」だけでなく、「あとで状況が悪化しないか」をすることが、結果的にメンタルを守ってくれます。

 

まとめ

 

ストレスはゼロにするものではなく、長引かせない・増やさないように扱うものです。

 

まずはストレス源を「解決できるか/回避できるか」で整理し、動かせない場合は次に「反応」を整えます。

 

反応を整えるコーピングは、運動・リラクゼーション・認知の調整・気分転換(行動活性化)・マインドフルネスの5分類で考えると選びやすくなります。

 

さらに、効いた対処をコーピングリストとして蓄積し、落ち込み・イライラ・不安など状態別に最適化すると再現性が上がります。

 

最後に、短期的に楽でも長期的に自分を苦しめる対処(自他を傷つける/出費が増える/問題解決を妨げる)は避け、「今だけ楽」ではなく「後で悪化しない」基準で選ぶことが、メンタルを守るコツです。

 

ぜひ、上手くコーピングを活用して、ストレスに上手に対処してくださいね。

 

よくある質問(FAQ)


Q1. ストレスコーピングとは何ですか?

 

ストレスで生じた心身の反応を軽くするために、考え方や行動を変えて対処する方法です。

 

目的はストレスをゼロにすることではなく、過剰な状態を長引かせず、生活を回せる状態に戻すことです。

 

Q2. ストレスを感じたとき、最初にやるべきことは何ですか?

 

まず「状況を変えられるか」を確認します。

 

次に解決(改善)できるならそこから手を入れ、難しければ回避(刺激を減らす)を検討します。

 

すぐ変えられない場合は、次にストレス反応を和らげるコーピングへ移ります。

 

Q3. コーピングの5分類(運動・リラクゼーション等)はどう使い分ければいいですか?

 

「今の状態」に合うものから優先します。

 

不安が強い日は呼吸・マインドフルネスやリラクゼーション、イライラが強い日は身体を動かす、落ち込みが強い日は行動活性化、というように「気分別の手札」を持つと選びやすくなります。

 

Q4. ストレスコーピングリストはどう作ればいいですか?

 

A. 実際に効いた対処だけを短く記録し、増やしていきます。

 

この場合、「少しマシになった」でもOKです。

 

気分別(不安/怒り/落ち込み)に印をつけ、5分でできる小さな対処を多めに入れると、ストレス時でも使いやすくなります。

 

Q5. 「良いコーピング」と「悪いコーピング」の見分け方は?

 

次の3条件で点検します。

 

自他を傷つけない/出費が増えすぎない/問題解決を妨げない。

 

短期的に楽でも、後で自己嫌悪や関係悪化、健康悪化につながる対処はストレスを増やしやすいので注意が必要です。

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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