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境界性パーソナリティ障害とは何か?~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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【詳細解説】そもそも境界性パーソナリティ症(障害)とは何か~愛着・トラウマ・感情調整の視点から~

【詳細解説】そもそも境界性パーソナリティ症(障害)とは何か~愛着・トラウマ・感情調整の視点から~

2026/06/02

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

境界性パーソナリティ症(境界性パーソナリティ障害)、では、感情の波が激しく、人間関係で強い不安や混乱が起こりやすくなるという性質を持っています。

 

もう少し細かく言いますと、対人関係の不安定性や過敏性、セルフイメージの不安定性、また極度の気分の変動、衝動性といった幅広い領域に渡るのが特徴です。

 

こうした状態は、周囲から「依存的」「面倒な人」と捉えられる場合が珍しくありませんが、しかし、それはとても乱暴な理解です。

 

というのは、境界性パーソナリティ障害は、単なる性格の問題ではないからです。


つまり先述した感情調整、対人関係、自己像、衝動性に関わる深い苦しさを持つ精神疾患として理解する必要があります。

 

また境界性パーソナリティ症は適切な心理療法や支援によって、症状の軽減や生活の安定を目指すことができます。

 

そこで今回は境界性パーソナリティ症について深堀していきたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

1.境界性パーソナリティ症とは何か~感情の波・見捨てられ不安・対人関係の苦しさを理解する~

 

 

先述しましたように、境界性パーソナリティ症は、単なる「性格の問題」ではありません。

 

当事者の方は感情が急激に揺れたり、大切な人との関係で強い不安が生じたり、自分自身の感じ方が大きく変わったりする、とても苦しい体験をされています。

 

周囲からは「気分が変わりやすい」「依存的」「わがまま」と誤解されることがありますが、実際には本人の内側で、見捨てられる恐怖、強い孤独感、怒り、恥、自己否定などが激しく動いていることが珍しくありません。

 

そのため大切なのは、非難することではなく、どのような仕組みで苦しさが起きているのかを理解することです。

 

1-1.この論文は何を扱っているのか

 

この論文では、境界性パーソナリティ症について、診断、臨床像、原因、神経生物学、認知、治療、そして現在の論点まで幅広く整理されています。

 

このレビューの大切な点は、境界性パーソナリティ症を一面的に見ないことです。

 

生物学的な脆弱性、発達環境、愛着、トラウマ、感情調整の困難、対人関係の経験など、複数の要因が関わる複雑な状態として理解されるべきであることが示されています。

 

境界性パーソナリティ症は、その人の持つ感情の敏感さや、これまでの人間関係の中で身につけてきた対処の仕方が重なり、苦しさとして現れている状態と考える必要があります。

 

1-2.境界性パーソナリティ症の主な特徴

 

境界性パーソナリティ症では、いくつかの特徴が見られます。

 

ただし、すべての人に同じように現れるわけではありません。

 

症状の出方や強さは個人差があり、人によって異なってきます。

 

ただ、代表的な特徴としては、感情の不安定さ、対人関係の不安定さ、自己像の揺れ、衝動性などがあります。

 

まず、感情の不安定さです。

 

少し前まで落ち着いていたのに、急に不安、怒り、寂しさ、絶望感が強くなる、ということがしょうじやすくなります。

 

ご本人にとっては、感情が波のように押し寄せ、自分では止められないように感じられることがほとんどです。

 

次に、対人関係の不安定さです。

 

相手をとても大切に感じる一方で、少し距離を感じると、「裏切られた」「捨てられる」「もう大切にされていない」と強く感じてしまうというものです。

 

その結果、相手を強く求めたり、反対に突き放したりすることがあります。

 

また、自己像の揺れも重要です。

 

境界性パーソナリティ症では「自分は何者なのか」「本当は何を望んでいるのか」「自分には価値があるのか」がわからなくなりやすいことがあります。

 

また人間関係や気分の状態によって、自分への見方が大きく変わることもあります。

 

さらに、衝動性が出ることもあります。

 

強い感情に圧倒されやすいため、それを落ち着かせるために、買い物、過食、飲酒、自傷、危険な行動などに向かう場合が多くみられます。

 

これは「人を困らせたいから」「注目を集めたいから」ではなく、強すぎる感情をどうにか処理しようとする不適切な対処として理解する必要があります。

 

1-3.感情の波が激しくなる理由

 

境界性パーソナリティ症では、感情が非常に強く、急激に動くことが珍しくありません。

 

例えば…

 

相手の何気ない一言で強い怒りが出る

 

少し返信が遅いだけで見捨てられるように感じる

 

自分でも理由がわからないほど急に寂しさが強くなる

 

このとき、本人は当然ですが「意図的に大げさに反応しよう」としているわけではありません。

 

むしろ、心の中では危機が起きているように感じられていることの現われなのです。

 

感情が急激に高まると、落ち着いて考える脳の力が働きにくくなります。

 

その結果、相手を責める、何度も確認する、突然距離を取る、自分を傷つける、衝動的に行動する、といった反応につながることになってしまいます。

 

そのため大切なのは、感情を無理に消そうとするのではなく、感情に気づき、名前をつけ、少し距離を取り、安全な行動を選べるようになることです。

 

1-4.見捨てられ不安と対人関係の苦しさ

 

境界性パーソナリティ症を理解するうえで、見捨てられ不安はとても重要です。

 

見捨てられ不安とは、大切な人が自分から離れていくのではないか、嫌われるのではないか、関係が突然終わるのではないかという強い不安です。

 

例えば、相手からの返信が少し遅かったり約束の変更が生じた…。

 

またご本人から見て表情が少し冷たく見えた、さらにはパートナー等の相手が一人の時間を過ごしている…。

 

このような出来事があると、実際には関係が壊れていなくても、本人の中では「もう見捨てられる」「自分は大切にされていない」「相手は自分から離れていく」と感じられるスイッチが入ってしまいやすくなります。

 

この不安が強くなると、相手に何度も確認したり、責めたり、試すような行動をしたり、逆に自分から関係を切ろうとしたりすることがあります。

 

ただ、これはある種の衝動性の結果なので、ご本人も後から、「なぜあんな言い方をしてしまったのだろう」「また関係を壊してしまった」と苦しむことがあります。

 

大切なのは、この反応を単なる依存や自分勝手さと見ないことです。

 

実はご本人も、こうした自分自身の傾向に苦しんでいるのです。

 

こうした場合、ご本人の中では、関係を失う恐怖が非常に強く、心が危機状態になっているんですね。

 

1-5.人関係で「極端な見方」が起こることがある

 

境界性パーソナリティ症では、人間関係の中で相手への見方が大きく揺れることがあります。

 

例えば、ある瞬間には「この人は自分を一番わかってくれる」と感じていたのに、少し傷つく出来事があると、「この人は自分を裏切った」「もう信用できない」と極端な感情を抱いてしまいます。

 

これは、感情が強くなったときに、相手を落ち着いて多面的に見ることが難しくなってしまうので生じる問題です。

 

本来、人は誰でも良い面と不完全な面を持っています。

 

しかし、強い不安や怒りが出ているときには、「全部良い人」か「全部悪い人」かのように感じられやすくなります。

 

このような極端な見方が続くと、当然ですが人間関係は不安定になりやすくなります。

 

そのため心理的支援では、相手への見方が急激に変わる流れを丁寧に振り返り、「今、何がきっかけでその感情が強くなったのか」を理解していくことが大切になってきます。

 

1-6.境界性パーソナリティ症の原因は一つではない

 

境界性パーソナリティ症の原因は、単純に一つに決められるものではありません。

 

よくある誤解として、「境界性パーソナリティ症はすべてトラウマが原因である」という見方があります。

 

しかし、これは正確ではありません。

 

トラウマや虐待、情緒的に不安定な家庭環境が関係することはありますが、それだけで説明できるわけではありません。

 

一方で、「生まれつきの性格だから変わらない」と考えるのも適切ではありません。

 

現在の理解では、境界性パーソナリティ症には、遺伝的・生物学的な脆弱性、感情の敏感さ、幼少期の逆境体験、愛着関係、家族環境、対人経験など、複数の要因が関わると考えられています。

 

つまり、境界性パーソナリティ症はその人の持つ敏感さと、これまでの環境や人間関係の中で形成された対処パターンが重なって生じるものとして理解する必要があります。

 

1-7.愛着と感情調整の視点

 

境界性パーソナリティ症では、愛着の問題が関係することがあります。

 

愛着とは、安心できる人とのつながりを求める心の働きです。

 

人は本来、不安なときや傷ついたときに、安心できる相手に近づき、支えを得ようとします。

 

しかし、幼少期に安心して頼れる関係が不安定だった場合、人との距離感が難しくなることがあります。

 

近づきたいのに怖い。


頼りたいのに疑ってしまう。


離れられると耐えられない。


けれど近づかれると不安になる。

 

こうした矛盾した反応が起こってしまうのが境界性パーソナリティ症の特徴です。

 

また、感情調整の困難も重要です。

 

怒り、不安、寂しさ、恥、絶望感などが急激に高まり、それを落ち着かせる方法が見つからないと、衝動的な行動や自傷に向かいがちになります。

 

このとき必要なのは、「感情を抑える」という方法ではありません。

 

感情を認識し、名前をつけ、安全に表現し、行動を選べるようになる支援が必要です。

 

1-7.診断は慎重に行われる必要がある。

 

境界性パーソナリティ症の診断は、医師によって慎重に行われるべきものです。

 

なぜなら、境界性パーソナリティ症の特徴は、うつ病、双極症、複雑性PTSD、発達特性、摂食障害、物質使用の問題などと重なる部分があるからです。

 

例えば、気分の波があるからといって、すぐに境界性パーソナリティ症と決めることはできません。

 

強い見捨てられ不安があるからといって、それだけで診断できるわけでもありません。

 

自傷行為がある場合も、その背景を丁寧に見る必要があります。

 

また、境界性パーソナリティ症という診断名には、強い偏見がつきまとってきた歴史があります。

 

そのため診断は、人をラベルづけするためではなく、適切な支援につなげるためにおこなわれて初めて意味を持ちます。

 

1-8.治療の中心は心理療法

 

境界性パーソナリティ症の治療では、心理療法が重要な中心になります。

 

代表的な心理療法には、弁証法的行動療法、メンタライゼーションに基づく治療、転移焦点化精神療法、スキーマ療法などがあります。

 

これらは方法は異なりますが、共通して、感情の波、対人関係の混乱、衝動的な行動、自己理解の不安定さを扱います。

 

弁証法的行動療法では、感情を調整するスキル、衝動に流されないスキル、人間関係を保つスキルなどを学びます。

 

メンタライゼーションに基づく治療では、自分や相手の心の状態を落ち着いて理解する力を育てます。

 

ここでは、相手の言動をすぐに「拒絶された」「攻撃された」と決めつけず、別の可能性も考えられるようにしていきます。

 

スキーマ療法では、幼少期から続く傷つきや対人パターンを理解し、新しい反応を作っていきます。

 

例えば、「自分は見捨てられる」「自分には価値がない」といった深い思い込みに気づき、少しずつ修正していきます。

 

転移焦点化精神療法では、治療関係の中で現れる自分と他者への極端な見方を扱い、より統合された自己理解を目指します。

 

大切なのは、適切な支援を継続することで、症状の軽減、対人関係の安定、自己理解の改善を目指すということです。

 

1-9.薬物療法の位置づけ

 

境界性パーソナリティ症のトリートメントは心理的支援ですが、薬物療法が使われることもあります。

 

ただし、薬だけで境界性パーソナリティ症の中核症状を一貫して改善するとは考えにくいとされています。

 

薬物療法は、併存するうつ病、不安症、睡眠障害、強い衝動性、一時的な精神病様症状などに対して補助的に用いられることがあります。

 

しかし、境界性パーソナリティ症そのものの中心的な治療は、基本的には心理療法や心理社会的支援です。

 

そのため、「薬を飲めば性格が変わる」という理解も、「薬はまったく意味がない」という理解も、どちらも極端です。

 

境界性パーソナリティ症のトリートメントにおいては、必要に応じて医師と相談しながら、心理療法と組み合わせて考えることが大切となってきます。

 

1-10.現在の論点~診断名・偏見・複雑性PTSDとの関係~

 

境界性パーソナリティ症には、現在もいくつかの論点があります。

 

一つは、診断名にまつわる偏見です。

 

境界性パーソナリティ症という診断がつくことで、本人が支援者や周囲から否定的に見られてしまう可能性が残念ながら存在しています。

 

これは大きな問題です。

 

診断名は、本人を否定るためではなく、理解と支援につなげるために使われるべきです。

 

二つ目は、複雑性PTSDとの関係です。

 

境界性パーソナリティ症と複雑性PTSDには、感情調整の困難、対人関係の問題、自己評価の低さなど、重なる部分があります。

 

一方で、見捨てられ不安、自己像の急激な揺れ、衝動性、自傷行為、対人関係の激しい不安定さなど、境界性パーソナリティ症に特徴的に見られやすい要素もあります。

 

そのため、両者を単純に同じものと考えるのではなく、丁寧な評価が必要です。

 

三つ目は、カテゴリー診断か、次元的理解かという問題です。

 

「境界性パーソナリティ症である/ない」と二分するだけではなく、感情調整、対人関係、自己機能、衝動性などの特徴を、どの程度持っているのかという次元的な理解も重要になっています。

 

まとめ

 

境界性パーソナリティ症は、感情の波、見捨てられ不安、対人関係の不安定さ、自己像の揺れ、衝動性などを特徴とする状態です。

 

それは単なる性格の問題ではありません。

 

生物学的な敏感さ、発達環境、愛着、トラウマ、対人経験、感情調整の困難などが複雑に関係しています。

 

大切なのは、「ご本人を否定的」と見ることではなく、どのような場面で感情が強くなり、どのような関係の中で不安が高まり、どのような対処が苦しさを長引かせているのかを丁寧に理解することです。

 

境界性パーソナリティ症は、適切な心理療法や支援によって、感情調整、人間関係、自己理解、安全な対処を少しずつ身につけていくことができます。

 

診断名は人を否定するためのものではなく、回復に向けた支援につなげるための手がかりとして使われる必要があります。

 

よくある質問


Q1. 境界性パーソナリティ症とは何ですか?

 

境界性パーソナリティ症とは、感情の波、見捨てられ不安、対人関係の不安定さ、自己像の揺れ、衝動的な行動などが強く現れやすい状態です。

 

以前は「境界性パーソナリティ障害」と呼ばれることも多く、現在でも検索や医療の文脈ではその言葉が使われることがあります。

 

大切なのは、境界性パーソナリティ症を「性格に問題がある」「感情的」と捉えないことです。

 

ご本人の中では、強い不安、怒り、寂しさ、見捨てられる恐怖が急激に高まり、自分でもコントロールしにくい状態になっていることがあるからです。

 

Q2. 境界性パーソナリティ症は治りますか?

 

境界性パーソナリティ症は、適切な心理療法や支援によって、症状の軽減や生活の安定を目指すことができます。

 

感情の波を完全になくすというより、感情が強くなったときに自分を傷つけず、人間関係を壊さず、少しずつ安全な対処を選べるようになることが大切です。

 

治療では、感情調整、人間関係の作り方、見捨てられ不安への対処、自傷衝動への対応、自己理解などを丁寧に扱います。

 

Q3. 境界性パーソナリティ症とアダルトチルドレンは何が違いますか?

 

境界性パーソナリティ症は、精神医学的な診断として用いられる概念です。

 

そして、感情の不安定さ、対人関係の不安定さ、見捨てられ不安、自己像の揺れ、衝動性などが診断上の重要な特徴になります。

 

一方、アダルトチルドレンは、診断名というより、機能不全家族で育った影響を大人になってからも抱えている人を説明するための言葉として使われることが多いものです。

 

狭義には、アルコール依存などの問題を抱えた親のもとで育った人を指します。広義には、虐待、過干渉、無関心、親の情緒不安定、家族内の強い葛藤などの影響を受けた人も含めて使われることがあります。

 

つまり、境界性パーソナリティ症は「症状のまとまりに基づく診断概念」アダルトチルドレンは「育った家庭環境の影響に注目した理解の枠組み」と考えるとわかりやすいでしょう。

 

Q4. 境界性パーソナリティ症と大人の愛着障害は何が違いますか?

 

境界性パーソナリティ症は、精神医学的な診断として扱われる概念です。

 

そこでは見捨てられ不安、感情の急激な変化、対人関係の不安定さ、自傷や衝動性などが中心になります。

 

一方、「大人の愛着障害」という言葉は、日常的にはよく使われますが、成人に対する正式な診断名としては慎重に扱う必要があります。

 

一般には、親密な関係で不安が強い、相手を信じにくい、近づきたいのに怖くなる、見捨てられる不安が強い、距離感が難しいといった愛着上の困難を指して使われることが多くあります。

 

両者は重なる部分があります。

 

たとえば、見捨てられ不安や親密な関係への不安は、境界性パーソナリティ症にも、大人の愛着の問題にも見られることがあります。

 

ただし、境界性パーソナリティ症では、感情の波、衝動性、自傷、自己像の揺れなどがより大きなテーマになります。

 

一方、大人の愛着の問題は、主に人との距離感や安心感、信頼関係の難しさに焦点が当たります。

 

Q5. 境界性パーソナリティ症とアダルトチルドレン、大人の愛着の問題は重なることがありますか?

 

はい、重なることが多々あります。

 

たとえば、機能不全家族で育った方が、大人になってから人を信じにくくなったり、見捨てられ不安を抱えたり、親密な関係で強い不安を感じたりすることがあります。

 

その結果、アダルトチルドレンとしての課題と、大人の愛着の問題が重なることがあります。

 

また、境界性パーソナリティ症の方の中にも、幼少期の不安定な愛着関係や傷つき体験が背景にある場合があります。

 

ただし、重なる部分があるからといって、すべて同じものではありません。

 

境界性パーソナリティ症、アダルトチルドレン、大人の愛着の問題は、それぞれ焦点が異なります。

 

そのため自分に何が当てはまるかを決めつけるのではなく、どのような場面で困っているのかを丁寧に整理することが大切です。

 

Q6. 見捨てられ不安が強いと、境界性パーソナリティ症なのでしょうか?

 

見捨てられ不安が強いからといって、すぐに境界性パーソナリティ症と判断することはできません。

 

見捨てられ不安は、境界性パーソナリティ症だけでなく、愛着の問題、アダルトチルドレンの課題、過去のトラウマ、恋愛関係の傷つき、うつや不安症などでも見られることがあります。

 

境界性パーソナリティ症として考える場合には、見捨てられ不安だけでなく、感情の急激な変化、対人関係の不安定さ、自己像の揺れ、衝動性、自傷行為など、複数の特徴を総合的に見る必要があります。

 

Q7. 境界性パーソナリティ症は双極症と違いますか?

 

境界性パーソナリティ症と双極症は違うものです。

 

ただし、どちらも気分の波があるため、似て見えることがあります。

 

双極症では、うつ状態や躁状態・軽躁状態といった気分エピソードが一定期間続くことが特徴です。

 

睡眠時間の減少、活動量の増加、気分の高揚、抑うつ状態などがまとまった期間として現れます。

 

一方、境界性パーソナリティ症では、対人関係の出来事に反応して、感情が急激に変化しやすいことがあります。

 

例えば、相手の返信が遅い、表情が冷たい、距離を置かれたように感じるといった出来事をきっかけに、強い不安や怒り、絶望感が出ることがあります。

 

両者は治療方針も異なるため、自己判断せず、必要に応じて専門家に相談することが大切です。

 

Q8. 境界性パーソナリティ症の人は人間関係を壊したいのでしょうか?

 

多くの場合、本人は人間関係を壊したいわけではありません。

 

むしろ、「見捨てられたくない」「大切にされたい」「安心したい」という気持ちが強いことがあります。

 

しかし、その不安が非常に強くなると、相手を責めたり、何度も確認したり、試すような行動をしたり、逆に自分から関係を切ろうとしたりすることがあります。

 

これは、人を困らせるためというより、強い不安や恐怖をどう扱えばよいかわからなくなっている状態として理解することが大切です。

 

Q9. 境界性パーソナリティ症のカウンセリングでは何をしますか?

 

カウンセリングでは、感情が強くなる場面、見捨てられ不安が出るきっかけ、人間関係で繰り返しやすいパターン、自傷衝動や衝動的な行動の背景を整理していきます。

 

そのうえで、感情を調整する方法、相手への確認や衝動的な反応を減らす方法、自分の気持ちを安全に伝える方法、人との距離感を整える方法を学んでいきます。

 

大切なのは、「感情をなくすこと」ではありません。

 

感情に気づき、飲み込まれすぎず、安全な行動を選べるようになることです。

 

Q10. 境界性パーソナリティ症かもしれないと思ったら、どうすればいいですか?

 

まずは、自分を責めすぎないことが大切です。

 

境界性パーソナリティ症の特徴に当てはまるように感じても、それは「自分が悪い」という意味ではありません。

 

ただし、自己判断だけで決めつけたり判断すのは避けるべきです。

 

境界性パーソナリティ症は、うつ病、双極症、複雑性PTSD、発達特性、愛着の問題などと重なる部分があります。

 

感情の波、人間関係の不安定さ、自傷衝動、強い見捨てられ不安がある場合は、医療機関や心理カウンセリングなど、専門家に相談することをおすすめします。

 

特に、自傷行為や最悪の選択肢を考えてしまうという問題がある場合は、一人で抱え込まず、早めに医療や相談窓口につながることが大切です。

 

参考論文

Leichsenring et al.(2024)Borderline personality disorder: a comprehensive review of diagnosis and clinical presentation, etiology, treatment, and current controversies

 

 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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