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全般不安症に効果的な心理療法とは~神戸、芦屋、西宮のカウンセリングより~

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全般不安症に効果的な心理療法とは

全般不安症に効果的な心理療法とは

2026/07/05

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

「考えても仕方がない」と頭ではわかっていても、心配が止まらず、仕事、家族、健康、お金、将来のことを考え続けてしまう…。

 

そして一度は安心したように感じても、また別の不安が浮かんできて、気持ちが休まらない状態が続く…。

 

全般不安症(全般性不安障害)では、このような慢性的な心配や緊張が続きやすくなります。

 

これは、ご本人が頭と身体が常に警戒モードに入っているような状態です。

 

結論から言うと、今回取り上げる研究では、全般不安症に対する心理療法の中でも、認知行動療法、第三世代の認知行動療法、リラクセーション療法が短期的な症状改善と関連していました。

 

その中でも、長期的な効果まで考えると、認知行動療法が第一選択の心理療法として最も支持される、という結果が示されています。

 

ただし、これは「認知行動療法だけが正解」という意味ではありません。

 

不安の背景、生活状況、本人の好み、併存する症状によって、必要な支援は変わります。

 

大切なのは、不安をなくそうとするだけではなく、「心配に巻き込まれすぎず、生活を取り戻す力」を育てていくことです。

 

そこで今回は、全般性不安症に対する心理療法の効果についてシェアしたいと思います。

 

※本投稿は公認心理師としての一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の方の診断・治療を行うものでも効果を保証するものでもありません。

※気になる症状がある場合は、必ず医療機関等の専門機関にご相談ください。

 

 

1-1.この論文は何を調べたのか

 

またまた軽く、今回参照にした論文の解説をいたしますね。

 

今回取り上げる研究は、成人の全般不安症に対する心理療法の効果を、複数のランダム化比較試験をもとに比較したものです。

 

対象となった心理療法には、認知行動療法、第三世代認知行動療法(ACT等)、リラクセーション療法、行動療法、認知再構成、心理教育、精神力動的心理療法、支持的心理療法などが含まれています。

 

1-2.全般不安症とは何か

 

全般不安症とは、特定の場面だけでなく、さまざまな生活領域に対して過剰な心配が続く状態です。

 

例えば、仕事で大きな問題が起きているわけではないのに、「失敗したらどうしよう」と考え続けてしまうことが生じやすくなります。

 

また、体調に少し違和感があるだけで重大な病気ではないかと不安になったり、家族の帰りが少し遅いだけで事故やトラブルを想像してしまったりするというケースもあります。

 

このように、心配の対象が次々に移り変わり、頭の中では不安なシナリオが繰り返されやすくなってしまうのです。

 

全般不安症では、心配や不安といった心の状態だけでなく、身体にもさまざまな影響が出ることがあります。

 

例えば、緊張がなかなか抜けない、肩や首がこる、眠りが浅くなる、疲れやすくなるといった状態が典型例です。

 

また、集中しにくくなったり、イライラしやすくなったり、胃腸の不調が出たりすることもあります。

 

これらは全般不安症は治療や支援の対象となる不安症の一つです。

 

1-3.なぜ心配が止まらなくなるのか

 

全般不安症では、心配が一種の対処法になっていることがあります。

 

心配している間は、最悪の事態に備えているように感じられます。


考え続けることで、何かをコントロールできているように感じられることもあります。


また「心配しておけば、失敗を防げる」と感じる方もおられます。

 

しかし、心配を続けても、実際には安心にたどり着かないことが多くあります。

 

むしろ、考えれば考えるほど不安な可能性が増え、身体は緊張し、睡眠や集中力が低下していきます。

 

つまり、心配は短期的には「備えている感じ」を作りますが、長期的には不安を維持してしまうことになってしまいます。

 

1-4.研究で示された心理療法の主な結果

 

Papolaらの研究では、主な結果として、治療通常群と比較したとき、第三世代認知行動療法、認知行動療法、リラクセーション療法は、全般不安症の症状を軽減する効果と関連していました。

 

ただし、研究の質を考慮して高いバイアスリスクのある研究を除くと、リラクセーション療法の優位性は明確ではなくなりました。

 

また、治療終了から3か月から12か月後の追跡では、認知行動療法のみが治療通常群よりも有意に効果的でした。

 

この結果から、短期的には複数の心理療法が役立つ可能性がある一方で、長期的な効果まで考えると、認知行動療法が第一選択として支持されやすいと考えられます。

 

1-5.認知行動療法とは何か

 

認知行動療法は、考え方、感情、身体反応、行動のつながりを整理し、不安を維持しているパターンを変えていく心理療法です。

 

全般不安症に対する認知行動療法では、まず心配が始まるきっかけや、不安な考え方のクセを整理します。

 

その上で、最悪の事態を予測しやすい傾向や、心配によって避けている行動、確認や安心探しを繰り返していないかを丁寧に見ていきます。

 

また、不確実なことをどの程度受け入れられるかを確認しながら、不安が残っていても必要な行動を少しずつ取れるようにトリートメントしていきます。

 

例えば、「失敗したらすべて終わりだ」と感じている場合、その考えがどの程度現実的なのか、別の見方はないのか、実際にどのような対処が可能なのかを検討します。

 

また、心配を完全になくすことよりも、心配に振り回される時間を減らし、必要な行動を取り戻すことを目指します。

 

1-6.第三世代認知行動療法とは何か

 

第三世代の認知行動療法とは、従来の認知行動療法を土台にしながら、思考の内容を直接変えることだけでなく、思考や感情との関わり方を変える心理療法です。

 

代表的なものに、ACT、マインドフルネスに基づく心理療法、メタ認知療法などがあります。

 

全般不安症では、心配そのものを消そうとするほど、かえって心配に注意が向いてしまうことがあります。

 

そのため、第三世代の認知行動療法では、「不安な考えがあること」と「その考えに従って行動すること」を分けて扱います。

 

例えば、「また失敗するかもしれない」という考えが浮かんでも、それを事実として扱うのではなく、「今、不安な予測が浮かんでいる」と気づくというアプローチを取ります。

 

これは、不安を否定する方法ではありません。

 

不安があっても、自分にとって大切な行動を選べるようにするための方法です。

 

1-7.「考え方を変える」だけでは不十分な場合もある

 

全般不安症では、「心配しすぎですよ」「もっと前向きに考えましょう」と言われても、多くの場合は甲を奏しません。

 

というのは、ご本人も心配しすぎていることはわかっている場合が多いからです。

 

回復にとって重要なのは、単にポジティブに考えることではありません(これはあまり効果は期待できません)。

 

それよりも心配がどのように始まり、どのように続き、どのような行動によって維持されているのかを具体的に見ることが重要です。

 

例えば、不安になるたびに何度も確認したり、人に安心できる言葉を求めたりすることがあります。

 

また、失敗しそうなことを避ける、考えがまとまるまで行動しない、完璧に準備できるまで始められないといった形で、不安に対処しようとする場合もあります。

 

こうした行動は、一時的には安心をもたらします。

 

しかし長期的には、「確認しないと危ない」「避けないと耐えられない」という感覚を強めてしまうことがあります。

 

そのため、心理療法では考え方だけでなく、行動のパターンも一緒に扱うことになります。

 

1-8.不確実性への耐性を育てる

 

全般不安症では、「はっきりしないこと」に耐えるのが難しくなることがあります。

 

具体的には、大丈夫だと確信できない、失敗しない保証がほしい、相手の本心を完全に知りたい、将来への不安を今すぐ消したいと感じることが増えていきます。

 

しかし、現実の生活の中には、完全に確実だと言い切れることはほとんどありません。

 

そのため、不安を完全に消そうとするほど、かえって確認や心配が増えてしまうことがあります。

 

そのため、全般不安症の支援では、不確実性を完全になくすことを目指すのではなく、不確実性が残っていても生活していける力を育てていきます。

 

例えば、確認する回数を一回だけ減らしてみる、すぐに結論が出ないことはいったん保留する、不安が少し残ったまま行動してみる、完璧な準備ではなく必要最低限の準備で始めてみる、といったアプローチが役立ちます。

 

このような小さな積み重ねが、不安に振り回されすぎない生活につながっていきます。

 

1-9.全般不安症のカウンセリングで行うこと

 

全般不安症のカウンセリングでは、まず不安や心配の内容を丁寧に整理していきます。

 

何について心配しているのか、一日の中でどの時間帯に不安が強くなるのか、身体にはどのような反応が出ているのかを確認します。

 

また、心配したあとにどのような行動をとっているのか、確認や回避、安心を求める行動が増えていないか、睡眠や仕事、人間関係にどの程度影響しているかも見ていきます。

 

その上で、認知行動療法を中心に、心配との付き合い方、考え方の整理、行動実験、問題解決、リラクセーション、マインドフルネス、不確実性に慣れる練習などを、その方の状態に合わせて組み合わせていきます。

 

1-10.セルフケアでできること

 

全般不安症のセルフケアでは、まず「心配を止めよう」としすぎないことが大切です。

 

心配を完全に消そうとすると、かえって心配に注意が向きやすくなり、不安が強まってしまうことにつながりやすくなります。

 

そのため、心配を無理に止めようとするよりも、心配している内容を紙に書き出し、今できる問題解決と、今考えても答えが出ない心配を分けてみることが役立ちます。

 

また、心配する時間を一日の中であらかじめ決めたり、確認や安心探しを少しだけ減らしたりすることも大切です。

 

あわせて、呼吸法や筋弛緩法で身体の緊張をゆるめ、不安が残っていても小さな行動を始めてみることで、不安に振り回されにくくなります。

 

最後に睡眠、食事、運動のリズムを整えることも、不安を扱いやすくする土台になります。

 

大切なのは、不安をゼロにしてから動くのではなく、不安があっても少しずつ生活を動かすことです。

 

まとめ

 

全般不安症は、単なる心配性ではありません。

 

心配が止まらず、身体が緊張し、確認や回避が増え、生活が狭くなっていく状態です。

 

心理療法では、不安を無理になくすのではなく、心配との付き合い方を変え、不安があっても生活を取り戻していくことを目指します。

 

心配が続いてつらいときは、適切な支援を受けることで、不安に振り回される時間を減らし、少しずつ安心して生活できる力を育てていくことができます。

 

よくある質問


Q1. 全般不安症は、ただの心配性とは違うのですか?

 

全般不安症は、さまざまなことへの心配が長く続き、生活や仕事、人間関係、睡眠などに支障が出る状態です。

 

単に慎重な性格というより、心配が自分で止めにくく、身体の緊張や疲労も伴いやすい点が特徴です。

 

Q2. 全般不安症にはどの心理療法が効果的ですか?

 

今回の研究では、認知行動療法、第三世代の認知行動療法、リラクセーション療法が短期的な症状改善と関連していました。

 

長期的な効果まで考えると、認知行動療法が第一選択として最も支持されています。

 

ただし、本人の状態や相性によって、必要な支援は変わります。

 

Q3. 認知行動療法では、どのようなことをしますか?

 

認知行動療法では、不安が始まるきっかけ、心配の内容、身体反応、確認や回避などの行動を整理します。

 

その上で、考え方を検討したり、不安があっても少しずつ行動する練習をしたりします。

 

つまり、心配をゼロにするのではなく、心配に振り回されにくくなることを目指します。

 

Q4. リラクセーションだけで全般不安症は改善しますか?

 

リラクセーションは、身体の緊張を下げるうえで役立つ場合があります。

 

ただし、今回の研究では、リラクセーション単独の効果については慎重に見る必要が示されています。

 

呼吸法や筋弛緩法は、認知行動療法などの心理療法の一部として使うという位置づけが妥当と言えるでしょう。

 

Q5. 不安や心配が止まらないとき、自分でできることはありますか?

 

まず、不安や心配を無理に止めようとしすぎないことが大切です。

 

心配の内容を書き出し、今できる問題解決と、今考えても答えが出ない心配を分けてみましょう。

 

また、確認や安心探しを少しだけ減らす、不安が残ったまま小さな行動を始める、呼吸や筋弛緩で身体の緊張をゆるめることも役立ちます。

 

参考文献

Papola, D., Miguel, C., Mazzaglia, M., et al.(2024). Psychotherapies for Generalized Anxiety Disorder in Adults: A Systematic Review and Network Meta-Analysis of Randomized Clinical Trials. JAMA Psychiatry, 81(3), 250–259.

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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