自分を不幸にする習慣とは?~シアワセを増やすより先に減らしたいこと~
2026/07/25
みなさん、こんにちは。
神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。
誰しもがそうですが、何かしらの形で私たちはシアワセになることを心から求めています。
そして、多くの方はぼんやりと、あるいは明確な「シアワセの形」、つまり理想を抱いています。
しかし、気分が落ちているときに理想的な生活を目指すと、思うように実行できず、かえって自分を責めてしまうことがあります。
結論から申し上げると、気分を回復させる第一歩は、シアワセになる方法を増やすことだけではありません。
自分の気分を悪化させている習慣を一つ見つけ、少しだけ減らすことです。
この際に役に立つのが、「さらに気分を悪くするには何をすればよいか」「さらに不幸せになるには何をすればよいか」という逆説的な発想です。
実はこれ、本当に役に立つ発送なんですね。
というのは、これによって悪循環が具体化され、その反対にある行動も見つけやすくなってくるからです。
そこで、このブログでは先述した「さらに気分を悪くするには、さらに不幸せになるには何をすればよいか」という視点からシアワセへと向かう方法についてシェアしたいと思います。

1-1.シアワセを直接目指すと苦しくなることがある
ネットやSNSでは、前向きに考えること、機嫌よく過ごすことが推奨されています。
しかし、実はここには大きな罠があります。
その罠と言うのは「シアワセが義務化される」ということです。
皆さんもネットやSNS等で、ネガティブであることが否定されていて、ポジティブであることが推奨されているコンテンツを目にすることが数多くあると思います。
ここで「シアワセの義務化」が生じるんですね。
このようにシアワセを義務にすると、悲しみ、不安、疲労、退屈を感じたときに、「自分はうまく生きられていない」という自己否定が生じやすくなってしまいます。
しかし、人はいつもシアワセを感じているわけではありません。
不安になる日もあれば、何もしたくない日、失望する日もあります。
そしてシアワセとは、否定的な感情が一切なくなることではありません。
つらい感情がある日にも、自分を必要以上に傷つけず、生活を続けられることもシアワセの一部です。
1-2.「さらに気分を悪くする方法」を書き出す
さて、ここからが本題で、シアワセになるための方法をご紹介したいと思います。
次の質問に、少し大げさなくらい答えてみてください。
「今より『もっと気分を悪くする』ためには、どのような一日を過ごせばよいだろう」
例えば、次のような答えが考えられます。
✔夜遅くまでスマートフォンを見て、睡眠時間を削る
✔一日中横になり、外の光を浴びない
✔食事を抜く、または偏った食事だけで済ませる
✔人との連絡をすべて避ける
✔SNSで自分より恵まれて見える人と比較する
✔過去の失敗を何度も思い返す
✔「自分は何をしてもダメだ」と決めつける
✔一度に生活全体を変えようとする
✔できなかったことだけを数える
…リストアップすると、本当に色々とありますよね。
書き出してみると、自分が無意識に行っている習慣が含まれていることが多々あります。
これは、自分を責めるための作業ではありません。
気分を悪化させる流れを見える形にするためのものです。
まずは、こうやって「自分を不幸せにするもの」を「見える化」していきます。
1-3.悪化させる行動の「反対」を小さく行う
気分を悪化させる習慣が見つかったら、その反対を考えます。
夜更かしを続けているなら、いきなり理想的な時間に眠るのではなく、スマートフォンを置く時間を10分だけ早めてみましょう。
一日中動かないことが気分を悪化させるなら、激しい運動を始めるのではなく、玄関の外へ1分出てみるという方法もあります。
人との比較が増えているなら、SNSを完全にやめるのではなく、見る回数を一度減らすのも有効です。
食事が乱れているなら、完璧な自炊を目指すのではなく、朝に飲み物と食べやすいものを取るようにしていきましょう。
大切なのは、人生を一度に変えようとしないことです。
気分が落ちているときほど、「部屋を全部片づける」「毎日運動する」「生活を完全に立て直す」といった大きな目標を立てがちです。
しかし、目標が大きすぎると、始める前から圧倒されます。
小さな変化は物足りなく見えますが、実行できる変化の方が気分と生活に影響を与えます。
そこで、以下では実行できる変化の作り方をお伝えします。
1-4.自分を苦しめる「心の物語」に気づく
シアワセのために役立つ変化の1つとして、自分自身の「心の物語」に気づく、というものがあります。
気分を悪化させるのは、生活習慣だけではなく、自分について繰り返している物語も影響します。
✔「私はいつも失敗する」
✔「誰からも必要とされていない」
✔「今さら何をしても遅い」
✔「他の人はできているのに、自分だけできない」
こうした考えは、脳の性質として頭の中にあると事実のように感じられます。
そこで、紙やスマートフォンに書き出し、次のように確認してみてください。
✔「本当に毎回失敗しているだろうか」
✔「うまくいかなかった経験だけを集めていないか」
✔「これは事実ではなく、落ち込んでいるときの解釈ではないか」
無理に「私は素晴らしい」と言い聞かせる必要はありません。
ただ、自分を苦しめる考えが、現実のすべてではないと気づくことが大切なんですね。
1-5.不安や悲しみがある自分を失敗扱いしない
次は嫌な感情とどう向き合うか、というものです。
シアワセに近づくためには、不安や悲しみといった嫌な感情を、すべて消そうとしないことも大切です。
✔「今、不安を感じている」
✔「今日は気持ちが沈んでいる」
✔「思いどおりにならず、失望している」
まずは、このように今の感情をそのまま認めてみましょう。
感情を認めることは、その感情に一日中振り回されることではありません。
不安を感じながら食事をすることも、悲しみを抱えながら必要な用事を済ませることもできます。
そして感情は、天候のように変化するものです。
雨を止めることはできなくても、傘を差し、歩く速さを調整しながら目的地へ向かうことはできます。
それと同じように、不安や悲しみをすぐに消せなくても、その感情を抱えたまま、自分を少し助ける行動を選ぶことはできます。
気分が沈んでいることは、人生がうまくいっていない証拠ではありません。
不安や悲しみを感じることも、人として自然な反応です。
だからこそ、否定的な感情がある自分を、「シアワセになれない人」「うまく生きられない人」と失敗扱いすることは避けてくださいね。
1-6.今日の「選択点」を一つ見つける
最後は、悪化し始めた時にリカバリーするための方法です。
気分を悪化させる習慣に入りそうになった瞬間は、行動を選び直せる小さな分岐点です。
つまり、悪い習慣に入りそうなときというのは、シアワセに役立つ行動を選択する機会でもあるのです。
例えば…
✔布団の中でSNSを見続けるか、カーテンを開けるか。
✔過去の失敗を考え続けるか、温かい飲み物を用意するか。
✔自分を責め続けるか、「今できることは何か」と問い直すか。
大きな決断ではなくても、この小さな選択が生活の方向を変えていきます。
まとめ:シアワセは「悪化させない工夫」から始まる
シアワセになる方法が分からないときは、次の質問をしてみてください。
「さらに気分を悪くするには、何をすればよいだろう」
すると、睡眠を削る、人と比較する、動かない、自分を責める、生活全体を一度に変えようとするといった、自分を苦しくさせる習慣が見えてきます。
その中から一つだけ選び、反対の行動を小さく行ってみてください。
シアワセは、毎日明るい気持ちで過ごすことではありません。
気分を悪化させる流れに気づき、自分を少し助ける選択を重ねることです。
人生全体を変える必要はありません。
今日の自分を少し苦しくしない行動を選ぶことが、シアワセへ向かう現実的な一歩になります。
よくある質問
Q1.気分が落ち込んでいるときに、「さらに気分を悪くするには?」と考えても大丈夫ですか?
自分を追い込むためではなく、気分を悪化させている習慣に気づくための質問です。
例えば、「さらに気分を悪くするなら、一日中布団の中で考え込む」「夜遅くまでスマートフォンを見る」「人と比べ続ける」といった行動が思い浮かぶかもしれません。
その中に普段の自分が行っていることがあれば、責めるのではなく、その反対の行動を一つだけ考えます。
カーテンを開ける、スマートフォンを置く時間を10分早めるなど、小さな工夫で構いません。
Q2.人と比べて落ち込むことがやめられません。どうすればよいですか?
比較しないように努力するより、比較した後の行動を選び直すことが大切です。
人と比べてしまうこと自体は、珍しい反応ではありません。
しかし、比較した後に「自分には価値がない」と考え続けたり、SNSを何度も見たりすると、さらに気分が落ち込みやすくなります。
「今、人と比べて苦しくなっている」と気づいたら、SNSを閉じる、自分が今日できたことを一つ書くなど、気分を悪化させない行動へ切り替えてみてください。
Q3.落ち込んでいる日は、何もできない自分を責めてしまいます。
何もできないと感じる日ほど、できなかったことだけで一日を評価しないことが大切です。
顔を洗った、食事を取った、連絡を一つ返した、横になって休んだといったことも、その日の自分に必要な行動です。
落ち込んでいるときは、普段より使えるエネルギーが少なくなっています。
また元気な日の基準で自分を評価すると、自己否定が強くなります。
そのため、「今日は何ができたか」ではなく、「今日の状態で何を守れたか」と考えてみてください。
Q4.シアワセになるには、いつも前向きでいる必要がありますか?
いつも前向きでいる必要はありません。
不安、悲しみ、失望、疲れは、人として自然な感情です。
それらを感じているからといって、人生に失敗しているわけではありません。
シアワセとは、嫌な感情を完全になくすことではなく、嫌な感情がある日にも、自分を必要以上に傷つけずに過ごせることです。
不安があっても食事をする、悲しくても休息を取るなど、自分を少し助ける行動を選ぶことが大切です。
Q5.生活を変えたいのに、大きな目標を立てると続きません。
生活全体を一度に変えようとすると、始める前から圧倒されやすくなります。
「毎日運動する」「部屋を全部片づける」「生活習慣を完全に整える」といった目標は、気分が落ちているときには負担が大きすぎることがあります。
まずは、気分を悪化させている習慣を一つ選び、その反対を小さく行ってみてください。玄関の外に1分出る、机の上を一か所だけ片づけるなどで十分です。
小さな行動でも、自分を苦しくする流れを少し変えることができます。
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この記事の執筆者
駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)
心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。
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