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愛着障害の大人向けカウンセリング~生きづらさの根本と向き合う~

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愛着障害の大人向けカウンセリング~生きづらさの根本と向き合う~

愛着障害の大人向けカウンセリング~生きづらさの根本と向き合う~

2026/07/27

みなさん、こんにちは。

神戸や芦屋、西宮などの近隣都市で活動しているこころのケア心理カウンセリングルームの心理カウンセラー(公認心理師) 駒居義基です。

 

相手の態度が少し変わっただけで「嫌われたのではないか」と不安になったり、誰かに頼りたい気持ちはあっても、弱い自分を見せることができなかったりする方は珍しくありません。

 

また、人と親しくなるほど、傷つけられる前に自分から距離を取りたくなり、同じような人間関係のつまずきを繰り返してしまう方もいます。

 

こうした生きづらさが続くと、「自分の性格に問題があるのではないか」と考え、自分を責めてしまうことがあります。

 

これが愛着障害の問題です。

 

結論からお伝えすると、愛着に関する生きづらさは、成育歴の問題がかなりの程度影響しています。

 

しかし、過去の人間関係をなかったことにはできませんが、自分の感情や対人関係のパターンを理解し、安全な関係を経験しながら、新しい対応を身につけていくことは十分に可能です。

 

そのためカウンセリングでは、親や過去の出来事を一方的に原因と決めつけるのではなく、現在の人間関係で何が起きているのかを丁寧に検討します。

 

そのうえで、感情の調整、自分と相手の気持ちを考える力、適切に助けを求める力を育てていくことになります。

 

※本記事は、公認心理師として一般的な情報を提供するものであり、特定の方の診断や治療、効果を保証するものではありません。症状によって生活に大きな支障が出ている場合は、精神科・心療内科などの医療機関にご相談ください。

 

 

1-1.「大人の愛着障害」は正式な診断名なのか

 

一般に「大人の愛着障害」という言葉は、幼少期からの人間関係の影響によって、大人になっても人を信頼することや親密な関係を築くことに難しさがある状態を表すために使われています。

 

ただし、医学的な診断名としての反応性愛着障害などは、主として子どもを対象にした概念です。

 

そのため、大人の対人関係の問題を、すべて「愛着障害」と診断できるわけではありません。

 

しかし成人の心理臨床では、診断名として決めつけるよりも、次の二つの傾向から理解することがあります。

 

● 愛着不安

 

愛着不安が強いと、相手から見捨てられることや、愛されなくなることを強く恐れます。

 

連絡がないと不安になる、相手の表情や声の変化に敏感になる、何度も愛情を確認するといった反応が典型例です。

 

そして本当は安心したいのですが、強くしがみつく、相手を試す、感情をぶつけるといった行動によって、かえって関係が不安定になることもあります。

 

● 愛着回避

 

愛着回避が強いと、人に頼ることや弱さを見せることを避けやすくなります。

 

この場合、つらいときにも一人で抱え込み、相手から近づかれると窮屈さや警戒心を感じます。

 

周囲からは冷静で自立しているように見えても、しかし内面では「頼っても助けてもらえない」「親しくなると傷つけられる」と感じることに繋がります。

 

1-2.愛着の問題が生きづらさにつながる仕組み

 

愛着とは、不安や危険を感じたときに、信頼できる相手とのつながりを求める心の仕組みです。

 

幼少期の経験は、その後の人間関係の感じ方に影響します。

 

しかし、現在の愛着パターンは、幼少期の養育環境だけで決まるものではありません。

 

その後の友人関係、恋愛、喪失体験、いじめ、トラウマ、現在のパートナーとの関係なども影響します。

 

Zhang et al.(2022)は、成人の愛着と心の健康に関する224件の研究を統合しました。

 

その結果、愛着不安や愛着回避が強いほど、不安、抑うつ、孤独感などと関連し、人生満足度や自尊感情とは負の関連があることが示されました。

 

ただし、これは「愛着が不安定なら必ず精神疾患になる」という意味では当然ありません。

 

そのため愛着の問題は、心の苦しさに関係する要因の一つと考えることが大切です。

 

1-3.感情との付き合い方にも影響する

 

愛着に関する苦しさは、人間関係だけでなく、感情の調整にも影響します。

 

愛着不安が強い場合、不安や悲しみが急激に大きくなり、自分だけで落ち着かせることが難しくなることがあります。

 

そのため、相手から何度も安心を得ようとする言動が生じやすくなります。

 

そのため、愛着回避が強い場合は、感情を感じないように抑えたり、人との距離を取ったりすることで対処しやすくなります。

 

Eilert et al.(2023)は、成人の愛着と感情調整に関する研究を検討し、安定した愛着はバランスの取れた感情調整と関連する一方、不安定な愛着では感情調整に偏りが生じやすいと報告しています。

 

つまり、「感情的すぎる」「人に頼れない」という問題の背景には、自分を守るために身につけてきた対応がある可能性が高いと言えます。

 

1-4.大人の愛着に対するカウンセリング

 

では、愛着障害に対するカウンセリングを通したケアはどのように勧められるのでしょうか

 

クライエント様の状態によってケアの内容は変わってくるのですが、ここでは基本的な進め方をご消化しいます。


1.現在の対人関係のパターンを理解する

 

カウンセリングでは、過去を聞くだけではなく、現在の人間関係で繰り返されているパターンを確認します。

 

相手のどのような態度に不安を感じるのか、不安になったときにどのような考えが浮かぶのか、どのような行動を取り、その結果関係がどうなるのかを見ていきます。

 

そして「自分に問題がある」と考えるのではなく、変えられる具体的な流れとして理解することが第一歩となります。

 

2.感情と行動の間に余白をつくる

 

不安や怒りを感じること自体は問題ではありません。

 

しかし、その感情があまりに大きすぎる、あるいは長引きすぎるという場合は対応が必要です。

 

そのためカウンセリングでは、感情が強くなったときに、すぐ相手を責めたり、関係を断ったりせず、行動を選び直す方法をクライエント様と一緒に組み立てていきます。

 

具体的には身体感覚に気づく、感情に名前をつける、すぐに連絡せず時間を置くなど、小さな方法から衝動的な行動が生じないような対応を進めていくことになります。

 

3.自分と相手の気持ちを決めつけずに考える

 

愛着の警報が強くなると、「返信がないのは嫌われたからだ」「相手は自分を支配しようとしている」と、一つの解釈だけが事実のように感じられます。

 

そのためカウンセリングでは、自分の気持ちを大切にしながら、相手には別の事情や考えがある可能性も検討します。

 

しかし、これは自分の感情を否定することではありません。

 

感情と事実を分け、自分と相手の両方を理解する力を育てる取り組みと言えるでしょう。

 

4.安全な関係を経験する

 

愛着に関する問題では、カウンセラーとの関係そのものも大切です。

 

そのためカウンセリングを通して話しても否定されない、気持ちが揺れても関係がすぐに壊れない、意見が違っても対話を続けられるという経験を重ねていくことで、本来あるべき安心感や情緒的安定をクライエント様が得られるようにしていきます。

 

Taylor et al.(2015)のレビューでは、心理療法後に愛着の安定性が高まり、愛着不安が低下する傾向が示されました。

 

この研究が示すように、愛着パターンは固定されたものではなく、心理療法の中で変化する可能性があるため、その変化を生み出せるように進めていきます。

 

1-5.カウンセリングを検討したい目安

 

同じ人間関係の問題を繰り返している、相手の反応によって一日の気分が大きく変わる、人に頼れず限界まで抱え込む、見捨てられ不安から相手を試してしまう場合は、心理カウンセリングを検討してよいでしょう。

 

また、うつ状態、自傷行為、消えたい気持ち、過去のトラウマによる症状がある場合は、精神科や心療内科との連携も必要となってきます。

 

まとめ

 

大人の愛着に関する生きづらさは、性格の欠陥ではありません。

 

人との関係の中で傷つかないように、自分を守るために身につけてきた反応が、現在の生活では苦しさにつながっていることが問題の原因である場合が大半です。

 

そのためカウンセリングでは、その反応を無理に否定するのではなく、なぜ必要だったのかを理解しながら、現在に合った方法へ少しずつ変えていきます。

 

過去は変えられません。

 

しかし、これから築く人間関係や、自分の感情への向き合い方は変えていくことができます。

 

よくある質問


Q1.大人の愛着障害は治りますか?

 

結果的に愛着障害の問題が生じないようになるのですが、固定的な病気として「治る・治らない」と考えるより、対人関係や感情のパターンが柔軟になると考えるほうが適切です。

 

そのため心理療法や安全な人間関係を通して、愛着不安や回避が弱まる可能性が期待できます。

 

Q2.愛着の問題は親が原因なのでしょうか?

 

幼少期の養育環境は一つの要因ですが、それだけで決まるものではありません。

 

その後の人間関係、いじめ、トラウマ、喪失、現在の生活環境なども影響します。

 

そのため、誰かを責めることより、現在の苦しさをどう改善するかが重要です。

 

Q3.愛着スタイルは自分で診断できますか?

 

インターネット上のチェックリストは、自分の傾向を知る参考にはなります。

 

しかし、診断を確定するものではありません。

 

対人関係の問題が大きい場合は、心理職や医師による評価を受けることが望ましいでしょう。

 

Q4.どのような心理療法が使われますか?

 

認知行動療法、スキーマ療法、メンタライゼーションに基づく治療、対人関係療法、力動的心理療法などが用いられます。

 

そして特定の方法だけがすべての方に適するわけではないため、症状や生活状況に合わせて適切なものを選択することになります。

 

Q5.カウンセリングでは過去をすべて話す必要がありますか?

 

最初からすべてを話す必要はありません。

 

現在困っていることから始め、安心して話せる範囲で進めます。

 

過去を詳しく扱う場合も、ご本人の準備と安全を確認しながら進めることが大切にされます。

 

参考文献

 

Zhang et al.(2022). The Relationship Between Adult Attachment and Mental Health: A Meta-Analysis.

Taylor et al.(2015). Changes in Attachment Representations During Psychological Therapy.

Eilert et al.(2023). Attachment-Related Differences in Emotion Regulation in Adults: A Systematic Review on Attachment Representations.

Mikulincer et al.(2019). Attachment Orientations and Emotion Regulation. 

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この記事の執筆者

駒居 義基(こころのケア心理カウンセリングルーム 代表)

心理カウンセラー(公認心理師)。20年以上の臨床経験と心理療法の専門性を活用して、神戸市や芦屋市、西宮市の近隣都の方々にお住いの心のお悩みを抱えている方に対して、芦屋市を拠点に最適なサポートを提供しています。

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